医科診療所

他医療機関での薬剤/診療情報を閲覧し、
患者に寄り添ったより良い医療へ。
診察や処方の際での積極的な情報活用が、患者の利益につながる

おかむね医院 三重県志摩市

おかむね医院は、1992年開業の内科医院です。外来診療だけでなく、患者さんの自宅や介護施設等での訪問診療も行っています。かかりつけ医として長く診ている患者さんも多く、近隣の病院とも連携しながら地域医療を支えています。

オンライン資格確認を導入した理由

オンライン資格確認を導入しようと思った理由は?

電子カルテのベンダーの紹介で、オンライン資格確認が始まることを知りました。デジタル化の流れは今後も進んでいくものと思いましたので、2021年12月頃に顔認証付きカードリーダーを申し込み、2022年4月に運用を開始しました。

岡宗眞一郎先生。

システムの導入や運用の過程で、苦労したことはありましたか?

この地域には光回線が通っていません。ADSL回線は通っていましたので、ADSL回線でオンライン資格確認システム等を使えるように、ベンダーに対応してもらいました。

しかし、ADSL回線だと通信速度の兼ね合いや導入している機器の構成等から電子カルテとの連携ができなかったため、診察室の電子カルテ端末では薬剤/診療情報や特定健診情報が閲覧できないんです。そこで、ADSL回線とつながっている資格確認端末を受付にあるプリンターにつなぎ、診察時に必要な情報を受付スタッフにプリントアウトしてもらって、診察室では紙で情報を閲覧しています。当院では紙カルテと電子カルテを併用していますので、紙で情報をもらうこと自体に違和感はありません。紙に印刷した閲覧方法でも、オンライン資格確認の恩恵を受けられています。

とはいえ、診察室の電子カルテと連携できたほうがスムーズだと思っているため、整備できないか、引き続き考えているところです。

オンライン資格確認を導入してみて、どのようなメリットを感じていますか?

特に薬剤/診療情報を閲覧できるのが便利です。他院から薬剤を処方されているかどうか、処方されている場合はどのような薬を処方されているのか、診察の前に確認しています。そうすることで重複処方を防げますし、副作用が出ていないかどうか確認することもできます。

薬剤/診療情報・特定健診情報の活用方法

普段の診療時に、薬剤/診療情報を確認されるまでの流れをお聞かせください。

1.マイナンバーカードをお持ちの患者さんに対しては、顔認証付きカードリーダーで情報閲覧の同意を取ります。今のところ、どの患者さんも特に抵抗なく同意してくださっています。

2.同意有無を確認し、受付のプリンターで、薬剤/診療情報をプリントアウトします。他院での薬剤/診療情報がある場合、受付スタッフが「他院あり」という付箋を貼ったり、医療機関名、薬局名、薬剤名にマーカーで印を付けたりします。

薬剤/診療情報のサンプル。処方した医療機関名、調剤した薬局名、医薬品名、成分名、用法・用量などが閲覧できます。

3.プリントアウトされた情報が診察室に回ってきます。他院での薬剤処方がある場合は、どのような診療でどのような薬が処方されているのか、診察前に確認します。

実際にどのような場面で薬剤/診療情報が役立っていますか?

Case 1:重複投薬処方の予防

他院で鎮痛剤を処方されている患者さんがいました。当院でも同種の薬剤を重複して処方してしまったら、患者さんの健康被害につながっていたかもしれません。しかし、事前に薬剤/診療情報を閲覧して鎮痛剤の処方を把握していたため、重複処方を避けることができました。

Case 2:副作用の確認

例えば、心臓に疾患をお持ちの患者さんは、同種・同効薬を複数飲んでいることがあります。その場合は、薬の効果が強く出すぎていないか確認するために、「めまいや立ちくらみはしませんか?」などと患者さんに伺っています。
また、めまいを訴える患者さんがいる場合には、降圧剤などの薬剤の影響を疑うこともできるでしょう。めまいを起こす病気はいくつもあるため、そのとき体調が悪いだけなのか、脳の疾患なのか、耳鼻科の疾患なのか、というふうにさまざまな可能性を考慮しなければなりません。
薬剤/診療情報が閲覧できるようになったことで、原因を判断する材料が1つ増えて診断しやすくなっています。

Case 3:患者が申告しにくい投薬内容の把握

泌尿器系や婦人科系の薬などは、恥ずかしくて服用していることを医師に伝えにくい、と感じる患者さんもいます。そういった場合も、薬剤/診療情報を閲覧できれば、患者さんに伺わなくても服薬状況を把握することができて、重複処方の防止や副作用の確認に役立てることができます。

ただ、患者さんに「こういうお薬を飲んでいますね」とお話する場合は、注意を払っています。情報提供の同意をしたことで、必要以上に深掘りされることに抵抗感を持たれる患者さんもいらっしゃるからです。継続的に、情報提供に同意いただくためにも患者さんの個性を考えて話をするように気をつけています。

特定健診情報については、活用していますか?

毎年の健診データが閲覧できると、数値の変化を見ることができますので、問診のきっかけになります。例えば、体重やBMIが大きく下がっている患者さんがいたら、「何かありましたか?」と伺うことができるでしょう。特定健診情報をきっかけに、患者さんに話していただけることがあるかもしれません。また、血圧が高くなってきている患者さんには、ご自宅でも血圧を測定していただき、記録して持ってきてもらうようにしています。

特定健診情報のサンプル。2020年度以降に実施したものから5年分の情報が閲覧できるため、経時的な変化を捉えることが可能です。

オンライン資格確認の今後の活用について

その他、オンライン資格確認によって感じられるメリットはありますか?

やはりその場で資格確認ができることは大きなメリットです。健康保険証でも資格確認は可能ですが、マイナンバーカードが健康保険証の代わりになるという認識を既に持っている患者さんも一定数いらっしゃいます。現状では、マイナンバーカードで受診される患者さんは全体の1~2割程度ですが、資格確認だけでなく、薬剤/診療情報を活用して診療に役立てるためにも、マイナンバーカードが徐々に広がってくれればと思います。

今後、オンライン資格確認に期待することは?

2023年1月から電子処方箋が導入されるとのことで、薬局との連携がさらに進むことを期待しています。電子処方箋のシステムによって、薬局とさらにコミュニケーションが取りやすくなり、ミスを防ぐことにつながると助かります。また、処方箋を出しても、患者さんが処方箋の有効期限内に薬を受け取らなかった、というケースもあります。電子処方箋では調剤結果も取り込めるとのことですので、こうしたケースを確認することができることにも期待します。

オンライン資格確認は、当初から将来的な機能拡張を期待して導入しました。新たな機能に慣れる必要も出てきますが、私自身は、現状提供されている機能にはすぐ慣れました。患者さん対応は受付スタッフに任せていますが、スムーズに対応できているようです。今後拡張される機能も、患者さんのためにどんどん活用していければと思います。

おかむね医院

〒517-0209三重県志摩市磯部町恵利原1530

TEL:0599-55-3333

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薬剤/診療情報のサンプル。処方した医療機関名、調剤した薬局名、医薬品名、成分名、用法・用量などが閲覧できます。


特定健診情報のサンプル。2020年度以降に実施したものから5年分の情報が閲覧できるため、経時的な変化を捉えることが可能です。