医科診療所

早期導入してさまざまな実践をしておくことが、
運用後のスムーズな活用につながる

はとりクリニック 川崎市幸区

はとりクリニックの周辺には高層マンション、オフィスビルと旧家、神社、寺が共存する独特の風情があります。地域住民とそこに通うビジネスパーソンに向けて、幅広い年齢層を対象に、内科・循環器の診療を行っています。

オンライン資格確認を導入した理由

導入を検討した背景と経緯を教えてください

当院では現在、常勤看護師、常勤事務員各2名、栄養士とともに、1日50人前後の患者さんのプライマリケアに当たっています。最近では、往診や在宅医療にも力を入れてきましたし、近隣のオフィスビルに勤務するビジネスパーソンの求めに応じて特定健診やがん検診にも取り組んでいます。

以前、川崎市医師会の医療情報システム委員会委員長を務めた経験もあり、早くから電子カルテを導入してきました。画像管理も行っており、院内で行うCT画像、紹介元からのCT ,MRI画像をDICOMデータを経年フォローに役立てています。

そのような経緯から、医療分野におけるデジタル化には抵抗がなく、幅広い層の患者さんの受付業務や特定健診、EHR,PHR、他院から処方の内容閲覧、家族の診療データを参考にすることにより診療にメリットがあると考え、オンライン資格確認を早めに導入することを考えました。

理事長の羽鳥裕さん。

オンライン資格確認等システムを導入しようと思った理由は?

1つには、受付の職員が健康保険証情報を入力する手間を省き、資格過誤によるレセプト返戻を防ぎたかったということがあります。最近では診察券がICカード化され、転記ミスによるレセプト返戻は月900~1,000枚中5枚以下と少なくなったとはいえ、それがゼロになれば申し分ありません。

2021年10月から薬剤情報が照会できるようになるのもポイントの1つです。たとえば急な腹痛で受診された初診の患者さんに緑内障や前立腺肥大症の既往があった場合、副交感神経遮断作用をもつ鎮痙剤を投与してしまえば失明や尿閉などをきたしかねません。オンライン資格確認等システムを導入することにより薬剤情報が閲覧できれば、こうしたトラブルやポリファーマシーを防ぐことにつながるかもしれず、その意義はきわめて大きいと言えます。

また、当院では年間600-700人のかたが特定健診を受診されますが、その情報を照会できるようになるのもポイントの1つです。そのメリットは医療機関にとどまりません。患者さんご自身が特定健診情報、薬剤情報を閲覧され、ご自身の健康管理に役立てていただくというメリットも実は大きいと考えています。

システム導入のプロセスについて

実際に導入されるまでのプロセスをお聞かせください

2021年3月下旬に「医療機関等向けポータルサイト」から顔認証付きカードリーダーの申し込みをしました。早期から電子カルテやレセコンを導入していたこともあり、オンライン資格確認等システムも導入するつもりでいたのです。医療機関等向けポータルサイトやマニュアルに一通り目を通し、医師会や電子カルテのネットワークで情報交換をすることにより、事前に留意すべきポイントも認識していました。たとえば、オンライン資格確認等システムと接続するオンライン請求ネットワークについて、IP-VPN接続方式を利用していたため、通信規格をIPv6に切り替える必要があり、導入を試みた多くの先生方がそこでつまずいていることも知りました。

とはいえ、毎日導入に取り組んでいたわけではありません。日常診療の合間をみて勉強しながら準備を進めましたが、当院の既存の環境を構築してくれたシステムエンジニアに応援を依頼しました。

現在は解消されているものの、セッティング当時は環境切り替えの設定がうまくいかなかったこともありましたが、システムエンジニアも今回のセッティング作業で仕組みを理解できたようで、今後の他の医療機関への導入におけるナレッジになれたのではないかと期待しています。また、顔認証付きカードリーダーの設置においてもシステムエンジニアから顔認証付きカードリーダーのメーカーに問い合わせ、指示にしたがって対処してからはすぐに設定が済み、支障なく使えるようになったという経緯です。そして、一通りの作業をしてみてオンライン資格確認等システムの運用のサポートも見据えてオンライン資格確認の導入支援業者に協力を求めることを視野に入れています。※

医療機関等向けポータルサイトのトップページに「オンライン資格確認に係る導入支援サービス提供業者お問い合わせ先」を掲載しています。

導入にあたり、気をつけるポイントはありますか?

現状では、多忙な日常診療にあたるクリニックの先生方が、ご自身で導入されるのはけっして容易とはいえないだろうと推察します。そのため、最初から既にお付き合いのあるシステムベンダーや導入支援業者に相談されたほうが得策かもしれないと思っています。もちろん、ネットワークやコンピューターの基礎知識があれば、自力導入にさほどご苦労はないかもしれません。

オンライン資格確認にどんな可能性を感じていますか

まずは患者さんがご自分の薬剤情報や特定健診情報を閲覧され、健康管理に役立てていただくようになるといいと思います。将来的にはがん検診やドック健診、さらにはスマートフォンやウェアラブル端末に記録されたヘルスケアデータなども参照できたら更に役立つと思われます。こうして医師と患者さんがともに医療情報(EHR)、個人の医療・健康情報(PHR)を共有し、医療の質の向上につながる未来を夢見ています。

早期に導入したメリットについてお聞かせください

オンライン資格確認のようなシステムは、多くの先生方に普及されたあとから導入するほうが苦労が少ないのは確かでしょう。実際、当院も導入の段階では試行錯誤しました。しかし、医療のIT活用は、必須です。オンライン資格確認のみではなく、この基盤が、将来、他院での投薬情報、禁忌薬剤、EHR.PHR.健診データを経年で把握し、医療介護連携を安全に構築できるようになることが期待されますので、先行して行ったことは意味ある事と考えます。

医療法人社団 はとりクリニック

〒212-0058 川崎市幸区鹿島田1-8-33

TEL:044-522-0033

http://hatori.or.jp/index.html

その他の導⼊事例

  • CASE.01

    電子カルテシステムとオンライン資格確認の連携で
    患者さんにより良い医療を。
    友だちの家に遊びに行くように、
    地域住民が何でも相談できるクリニック

    あかいしクリニック 東京都三鷹市

    あかいしクリニックは、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の住民が通う、身近な医療機関として信頼を築いてきました。地域に密着してきた同クリニックが、オンライン資格確認等システムを導入した理由を探ります。

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