歯科診療所

電子カルテシステムの開発も手がける
地域密着型の歯科医院

矢嶋歯科医院 東京都杉並区

1989年開業の矢嶋歯科医院は、新高円寺駅近くにある地域密着型の歯科医院です。長年にわたって通い続けている高齢の患者さんが多く、定期的なメンテナンスなどを通して、近隣住民の歯の健康を支えています。

オンライン資格確認を導入した理由

オンライン資格確認を導入しようと思った理由は?

保険の資格過誤によるレセプト返戻作業の削減が最大の目的です。特に、患者さんが古い保険証で受診してしまい、レセプトが戻ってきて初めて資格が変更されていたことに気づく、というケースがたびたび発生しています。そうすると、患者さんに連絡して、新しい保険証を持ってきていただかなければなりません。私が一人で受付業務をおこなうこともあり、診療と並行してのこうした作業は負担になりますし、患者さんにもご足労をおかけしてしまいます。ですので、オンライン資格確認が始まることを知って、すぐに導入しようと決めました。

実は、元々新しい技術・機械等に興味を持っていて、歯科医として診療にあたる一方で、25年ほど前から電子カルテシステムの開発・販売もおこなっています。中学生の頃からコンピューターを自作していて、進学先も工学部か歯学部かで迷うほど。結局、歯学部に進みましたが、勉強のかたわらロボットを作っていました。

今回のオンライン資格確認のシステム導入も自分で作業しました。電子カルテシステムを導入しているお客様にも、オンライン資格確認導入の相談も受けたり、お勧めしたりしています。

オンライン資格確認の導入を検討する中で、課題になりそうな点はありますか

導入時に受付スタッフが操作方法を覚えなければならない点と端末操作に慣れない患者さんを誘導しなければいけない点でしょうか。最初は業務の負担が増えると感じて、反対するスタッフがいるかもしれません。しかし、慣れれば圧倒的に楽になります。たとえば当院のシステムの場合、初診の場合、マイナンバーカードで受付すればボタン1つでカルテが出来上がりますし、保険証の場合も3〜4個の項目を入力してボタンを押すだけでできます。再来院の場合なら、記録済みの情報から自動で資格確認が行われますので、入力の必要もありません。他のシステムでも同様に、入力・確認の手間は大きく軽減されるはずです。最終的には皆から歓迎されると思います。

院長の矢嶋研一さん。

顔認証付きカードリーダーについて

顔認証付きカードリーダーの設置場所や受付の導線などで配慮したことは何ですか?

当院では、顔認証付きカードリーダーを受付カウンター上に設置しています。他に置き場所がないというのが正直なところですが、ここであれば患者さんが操作に困っても、受付担当がカウンター越しにすぐサポートすることができます。また、受付に来ればカードリーダーが必ず患者さんの目に入りますので、「何か新しい機械がある」とすぐに気づいていただけます。カードリーダーの隣に貼ってあるマイナンバーカードの保険証利用ポスターを見て、マイナンバーカードが保険証として使えるようになることを知り、関心を持ってくださる方もいらっしゃいます。

大きな病院であれば、入り口の近くや自動精算機の横などにカードリーダーを設置するのも一案でしょう。患者さんにマイナンバーカードをかざしてもらえば来院されたことが把握できますので、あとは待合室でお待ちいただくだけ。受付の流れがスムーズになります。

顔認証付きカードリーダーを選ぶポイントについて教えてください。

受付に設置できるよう、奥行きが小さく、設置スペースを取らない製品を選びました。サイトで調べていたときはもう少し大きいものを想像していましたが、意外と小さくて軽いですね。

機種ごとに、寸法や保守費用に違いがあるほか、紙の公費医療券が読み取れるなど、付加機能がついた機種もあるようです。当院の場合はコンパクトであることが最優先だったため、選択肢に入りませんでしたが、対応できる電子カルテをお使いであれば、メリットがあるかもしれません。

システム導入のプロセスについて

システム導入を決めてから、実際に導入されるまでの期間はどのぐらいでしたか

4、5カ月かかっていると思います。導入自体は早くから決めていましたので、2020年夏に情報提供サイト(医療機関等向け総合ポータルサイト)が公開されてまもなく準備を始めました。本格的なシステム導入作業は2021年に入ってから進め、2月から使用を開始しています。

システム導入において苦労した点はどこですか?

私は自分でトライした分苦労しました(笑)。オンライン請求の導入時には、自分で設定をおこなった人も多かったように思いますが、技術によほど自信のある方以外は、システムベンダーにすべてまかせることをお勧めします。

私はシステムベンダーに頼まずに自分で入れたわけですが、当初は接続方式の違いによって少し手こずりました。レセプトのオンライン請求では、以前から使用されているIPv4という接続方式が使われていますが、オンライン資格確認のシステムでは、比較的新しいIPv6という方式を使用するのです。両者は似ているようで仕組みが異なり、なかなか接続できず苦労しました。

システム導入後の変化について

実際に導入してみて最も大きなメリットは何でしょうか?

保険資格情報の確認が簡単にできて、レセプトの返戻が減ることです。医院にとってはレセプト請求が命ですから、正しい保険資格情報にオンラインでアクセスできることは、非常に大きなメリットです。

さらに、今後開始される特定健診情報や薬剤情報等の閲覧も便利そうですね。特に、薬剤情報のほうに期待しています。歯科の場合は、服用している薬によっては抜歯ができないケースや、大きな病院に紹介が必要なケースが出てきますので、薬剤情報も随時オンラインで確認できると、より患者さんに寄り添うことができます。こうしたことも見据えて、今から導入を進めておくのが良いと思います。

オンライン資格確認を導入したことで、患者さんからはどのような反応がありましたか

「ぜひ使ってみたい」「今度マイナンバーカードを持ってきます」という方も、意外と多くいらっしゃる印象です。

導入後のランニングコストはいかがですか

カードリーダーやレセプトコンピューター側の価格設定次第ではありますが、それほど高額にはならないのではないでしょうか。インターネット回線を引く金額とそう変わらないはずです。保守費用などが月額負担としてかかるケースもあるようですが、日常業務で発生する細かなトラブルに対応してくれることを考えれば必要な経費だと思います。

いずれにしても、オンライン資格確認を導入すると、コストを上回るメリットが十分に得られます。多少のランニングコストが発生するとしても、導入する価値は大いにあると思いますね。

診療室の一画には矢嶋さんの趣味コーナーが。

矢嶋歯科医院

〒166-0003 東京都杉並区高円寺南3-7-1ローレルハイツ1階

TEL:03-3318-3457

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