医科診療所
オンライン資格確認等コールセンターなどの問い合わせ窓口を活用し、スムーズに導入完了。
レセプト返戻や未収金がなくなり、受付スタッフの負担が大きく軽減。
中西整形外科 愛知県岡崎市
中西整形外科は2007年の開院以来、整形外科の総合クリニックとして幅広い疾患に対応しています。デイケアやデイサービス施設を併設しており、訪問リハビリテーションも提供。医療と介護の両方の視点で、地域医療に貢献しています。
オンライン資格確認を導入した理由
社会保険診療報酬支払基金からの周知物の中に、オンライン資格確認のパンフレットが入っていたのを見て、自分たちでも調べた結果、すぐに導入しようと決めました。受付業務が楽になるだろうと思いましたし、そもそも時代の流れとして、システム化が進んでいくことは明らかですよね。「将来に備える」という意味でも、早いうちに導入しておきたいと思いました。
中西啓介院長。
オンライン資格確認導入までの流れ
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00
アカウント登録する
オンライン資格確認を導入しようと決めてからすぐに、医療機関等向けポータルサイトのアカウント登録を行いました。ポータルサイトに記載されたとおりに入力するだけで、簡単に登録することができました。
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01
顔認証付きカードリーダー申し込み
次に、顔認証付きカードリーダーを選びました。スタッフみんなが操作することになりますし、患者さんにとっても使いやすいものでなければならないと思いました。医療機関等向けポータルサイトの中に各社の顔認証付きカードリーダー製品紹介の動画がありましたので、それを参考にして話し合いましたね。
機種選びの際には、機器の大きさ、追加機能、設置スペースを考慮しました。当院は高齢の患者さんが多いので、機器が大きくて目立つこと、画面が大きく見やすいことも重視しました。
機種を決めた後は、医療機関等向けポータルサイトにログインし、顔認証付きカードリーダーの申し込み手続きを行いました。アカウント登録時と同様、簡単にできました。
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02
システム業者へ発注
顔認証付きカードリーダーを申し込んだ直後から、システム業者選びを始めました。まず、自分たちでインターネットを通じてシステム業者を探して問い合わせました。
しかし、詳しく話を聞いてみたら、このシステム業者に依頼した場合、当院のシステムと連携ができないことが契約直前にわかりました。そこで、開業当初から当院のシステムをお願いしている業者に連絡してみたところ、オンライン資格確認の導入にも対応してくれるとのことだったため、結局、いつものシステム業者にお願いすることになりました。
システム業者を選ぶ際は、自院のシステムとの連携が可能かどうか、事前に確認したほうがいいと思います。普段からのお付き合いがあり、院内のシステムを理解している業者さんがいるのであれば、そこに相談するのが確実かもしれません。
もし、これからシステム業者を探すのであれば、医療機関等向けポータルサイトには、オンライン資格確認導入に対応しているシステム業者の一覧も掲載されているようです。 -
03
オンライン資格確認の導入・運用準備
システム業者への発注後は、導入作業前に当院で準備すべきことをシステム業者からいくつか指示されました。1つは電子証明書の発行、もう1つは当院のオンラインレセプト請求がNTTのIP-VPN接続回線を使用していたので、IPv6接続に係る手続き(フレッツ・v6オプション契約)です。
電子証明書の発行申請は、医療機関等向けポータルサイトから簡単にできました。しかし、IPv6接続に係る手続きでかなり手間取ってしまいました。そもそも「IPv6接続」とは何なのかがわからず、オンライン資格確認等コールセンターや、回線業者、プロバイダーなどに電話で問い合わせました。結局、IPv6接続のフレッツ・v6オプション契約が必要なのに、当院では加入していなかったことがわかり、加入の手続きを行いました。回線関連の話は、技術的なことに慣れていないと難しい部分もあるのではないでしょうか。こうした問い合わせに時間がかかることも考えられますので、早めに動き始めるのがおすすめです。
IPv6接続の問題が解決した後はスムーズでした。システム業者と作業日程の調整を行い、休診日に作業に来てもらいました。その際に立ち会いが必要でしたが、あとはシステム業者がすべての作業を済ませてくれて、我々は特に何もしていません。
作業当日に運用テストも行い、オンライン資格確認の使い方の説明も受けました。操作は簡単で、受付スタッフは1、2回練習しただけですぐに使えるようになりました。
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04
運用開始
これで運用の準備が整ったので、医療機関等向けポータルサイトで運用開始日を入力しました。入力は迷うことなく簡単にできました。医療機関等向けポータルサイトでの登録作業は、サイトを見れば操作方法がすぐわかるようになっていたので、どの段階でも困ることはありませんでしたね。また、社会保険診療報酬支払基金から送られてきたパンフレットにオンライン資格確認導入までの流れが書かれていたので、全体像をあらかじめ把握できていたことも大きいと思います。
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05
補助金申請
運用を開始できたところで、補助金申請を行いました。手続き自体は簡単です。他の手続きと同様、医療機関等向けポータルサイトの説明に沿って進めれば問題ありません。
申請後、こちらのミスで、提出書類が足りないと連絡がありました。対応したら補助金が振り込まれましたので、書類さえそろえばスムーズに入金されるはずです。
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完了
オンライン資格確認導入後の変化
問題なくオンライン資格確認システムは使用できています。
一度、導入して数週間後、突然オンライン資格確認を使えなくなったことがありました。顔認証付きカードリーダーでマイナンバーカードを読み込めなくなってしまったことがありました。まずはオンライン資格確認等コールセンターに電話し、回線業者や顔認証付きカードリーダーのメーカーにも問い合わせたところ、加入したはずのIPv6接続のオプションが外れていたことがわかりました。回線業者に再度設定し直してもらった後は、問題なく使用できるようになりました。
オンライン資格確認等コールセンターには、導入する過程で何度も電話しましたが、何かあったときに相談できる先があるのは安心ですね。その場ですぐ解決できないことであっても、問題に応じて適切な相談先を教えていただくことができて、とても助かりました。
受付スタッフの工藤昌生さん(左)と、中西院長。
メリットしかないですね。絶対に導入した方がいいと思います。
初診の方で、既に資格喪失して使えない健康保険証をお持ちになる方がときどきいらっしゃいます。返戻がある頃にはもう受診していなくて連絡が取れず、これまでは未収金が毎年、数件発生していました。しかし、オンライン資格確認の導入後は、その場で資格がないことがわかるので、未収金が発生することはなくなりました。これはとても大きいことです。保険資格の間違いによる返戻は、オンライン資格確認導入以来、発生していないと思います。それだけ間違いなく資格確認ができるということなのだと思います。
初診の患者さんがいらした際の入力作業も減りました。人はどうしてもミスをするものですが、オンライン資格確認の導入後は、数字の間違いも名前の入力間違いもありません。
薬剤情報や特定健診等情報など、オンライン資格確認のシステムで得られる情報は増えていますので、マイナンバーカードの持参率が上がればますます便利になるでしょう。
新しいシステムがきちんと整備されて浸透するまでには、どうしても時間がかかるものです。オンライン資格確認はまだ始まったばかりですので、現場の声に耳を傾けていただき、どんどん改良を図っていただけたらと思います。そのためにも、多くの医療機関が少しでも早くオンライン資格確認を導入し、みんなでフィードバックしながらよりよいシステムを作っていけるといいのではないでしょうか。

中西整形外科
〒444-2137 愛知県岡崎市藪田2-11-11
TEL:0564-22-1112
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