薬局
オンライン資格確認等のITによる業務効率化を進めて、
対人業務をさらにきめ細かに。
地域の一員として、何でも相談できる「かかりつけ薬局」
さなえ薬局 東京都足立区
緑の多い閑静な住宅街に位置するさなえ薬局は、地域の一員として近隣住民に寄り添う「かかりつけ薬局」。さまざまなITを積極的に導入して業務効率化や調剤過誤防止を進める一方、薬のお届けサービスなども行い、患者さんの多様なニーズに応えています。
オンライン資格確認を導入した理由
当薬局では以前から、電子お薬手帳や処方箋予約システム、QRコードを使った処方箋情報の入力、キャッシュレス決済など、IT活用を進めていました。調剤過誤の防止と業務の効率化を実現し、医療の質を高めることが目的です。オンライン資格確認等システムも、当薬局の目指すものと合致すると感じましたので、迷わず導入を決めました。
具体的には、正しい健康保険資格情報にアクセスできることで、レセプト返戻による事務作業の手間の削減が見込めます。また、受付時の情報入力の手間が軽減することにより、それに伴って入力ミスを減らすことが期待できます。どちらも業務効率化につながりますので、空いた時間で対人業務を今まで以上に丁寧に行えるようになると思いました。その他、重くて持ち帰るのが大変な経腸栄養剤などをご自宅にお届けするサービスも行っていますが、事務作業が減れば、対象エリアを拡大できるかもしれません。
また、薬剤情報や特定健診等の情報が閲覧できるようになるのも非常に大きなメリットです。特に今後閲覧できるようになる薬剤情報は、重複処方や禁忌薬が把握できますから、薬剤師としては必須の情報です。さらに、お薬を調剤する際に得られる情報が増えると、患者さんとの会話が広がります。例えば、特定健診情報をもとに、薬が効いているかどうか薬剤師の視点から確認することもできます。オンライン資格確認等システムを導入することは、対人業務にかけられる時間が増えるだけでなく、時間をかける意義も大きくなると考えています。
さなえ薬局の薬剤師・豊田陽祐さん。
顔認証付きカードリーダーについて
顔認証付きカードリーダーは、患者さんから処方箋を受け取る受付カウンター上に設置しています。気をつけたポイントは2点。まず、配線の問題です。使用するパソコンと有線接続する必要があるため、受付のパソコンから近いこの場所になりました。
もう1点は薬局内全体の導線です。当薬局は、入って左側が処方箋受付、右側が投薬カウンターですので、患者さんの導線が交差しないように、カウンターの左側にカードリーダーを設置しました。また、患者さんの導線だけでなく、スタッフ側の導線も考慮しています。薬局内で最初から最後まで移動するのは処方箋ですから、処方箋の動きを最短距離にすることで、患者さんの利便性が高まるだけでなく、薬局内スタッフの動きも効率化されて、調剤過誤も減らせます。当薬局では、レセプトコンピューターやプリンター、薬剤の配置も含めて、最短で完結するような導線を組んであります。その導線の中にカードリーダーを組み込んだイメージです。
普段からお世話になっているシステムベンダーの推薦です。決して広い薬局ではありませんので、設置スペースを考えてもコンパクトなものが最適でした。設置してみると、縦型ですがグラグラせず安定感がありますね。
システム導入のプロセスについて
オンライン資格確認等システムのお知らせが来てすぐに導入を決め、2020年夏に医療機関等向けポータルサイトから手続きを済ませていました。いつもお世話になっているシステムベンダーからオンライン資格確認等システムに関する案内を受けたのは、その後です。2020年のうちに、システムベンダーに2、3回訪問してもらい、デモンストレーション等をしてもらうことで、問題なく、簡単だということがわかりました。
実際の導入作業は、2021年2月後半にシステムベンダーが実施しました。その後、3月からシステムの使用を開始しています。
日頃からお世話になっていて信頼しているシステムベンダーにお任せしましたので、特に大きな苦労はありませんでした。過去にレセプトコンピューターなど他のシステムを導入してもらったシステムベンダーに依頼すれば、オンライン資格確認等システムと他のシステムを一元化できる可能性がありますし、相談などもしやすいでしょう。
現在、実際に使用を開始してから気になる点をリストアップしています。今のところ目立ったトラブルはありませんが、レセプトコンピューターに関する疑問点や改善を希望する点などがあれば集約して、近いうちにシステムベンダーにまとめて問い合わせるつもりです。
オンライン資格確認等システム導入後の変化について
一度入力したデータを再度チェックする必要がなくなったのは大きいです。人間の目で一つ一つ確認していくと、時間もかかりますし、どうしてもスタッフごとにチェックの速度や精度にばらつきが出てしまいます。オンライン資格確認等システムによって正しい情報を得ることができれば、個人の能力差にかかわらず効率性が上がりますし、正確性も上がりスタッフも間違える心配がなくなって安心です。安心感と効率性は常にセットなのです。
顔認証付きカードリーダーや、薬局内に掲示しているポスターを見て、関心を持つ患者さんが一定数いらっしゃる印象です。「次は、マイナンバーカードを持ってきます」という方もいらっしゃいます。ただ、マイナンバーカード自体の普及率がまだ低いこともあって、他人事だと感じている方も少なくないようです。
やはり調剤過誤の防止です。調剤過誤の種はさまざまなところに潜んでいますが、医療の世界では特に、調剤過誤は可能な限りなくさなければなりません。オンライン資格確認等システムで今後閲覧できるようになる薬剤情報によって、調剤過誤の種を事前に摘み取れると考えています。
今後、社会全体の流れとして、紙のやり取りがさらに減ってデジタル化が進むはずです。新型コロナウイルス感染予防の観点でも、デジタル化を進めて人との接触を減らすことが望ましいでしょう。感染対策が求められる今は、オンライン資格確認等システムをはじめ、さまざまな技術を導入するチャンスかもしれませんね。

さなえ薬局
〒120-0014 東京都足立区西綾瀬2-2-2 グランパレ西綾瀬110
TEL:03-3840-4888
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