薬局
地域に浸透した歴史ある薬局。
今後のICT活用の進展を見据えて、早期にオンライン資格確認を導入
ダイガク薬局 四条 京都市下京区
1958年(昭和33年)創業のダイガク薬局。地域のみなさんから「ダイガクさん」と親しみを込めて呼ばれています。ダイガク薬局四条は、現在3店舗を構えるダイガク薬局のメイン店舗として2002年に開局しました。
オンライン資格確認を導入した理由
オンライン資格確認が始まるという話は早くから聞いていて、情報収集はしていました。弊社の代表取締役は日本薬剤師会の常務理事でもあり、当初から導入に意欲的でしたが、現場としても新しいことにどんどん取り組んでいきたいという気持ちがありました。今後、医療分野においてもICT活用はますます進み、当たり前になっていくことを見据えると早めに導入しようと思いました。また、オンライン資格確認等システムは将来的に電子処方箋などといった基盤も担っていくことから、いずれ導入するのであれば今のうちに導入し、早くからシステムに触れておきたいと考えました。また、オンライン資格確認等システムの導入によって、ICTの進展を地域の方々に知ってもらえる機会にもなるかなと思いました。
事務長の稲田誉さん。
システム導入のプロセスについて
実は、今回は電子薬歴システムの導入と同じタイミングでオンライン資格確認を導入しました。このため、選定の順序としてはまず電子薬歴システムを比較検討してシステムベンダーを決め、そのシステムベンダーにオンライン資格確認等システムの導入もお願いしました。
導入の順序としても、先に電子薬歴を導入し、その後オンライン資格確認等システムを導入する流れでした。オンライン資格確認等システムに関しては導入が始まったばかりでシステムベンダーも初めての経験だったようですが、システムベンダーでもどのように導入を進めれば良いのか情報収集していただきました。そして、システムベンダーから明確なお返事をいただいてから準備を始めました。医療機関等向け総合ポータルサイトのアカウント登録や顔認証付きカードリーダーの申込を行ったのは、2021年に入ってからです。
システムベンダーとは密にやり取りしていました。電子薬歴を導入した際に細かくコミュニケーションを取っていましたので、既に関係性が構築された状態でオンライン資格確認等システム導入の作業をお願いできて、やりやすかったです。2つのシステム導入のタイミングが重なったのが、結果的にメリットになりました。
私たちも、必要なものはシステムベンダーに確認したり、医療機関等向け総合ポータルサイトを見たりして、準備を整えておくようにしました。事前準備がすべて終わった状態で作業に来てもらったので、機器設定作業の当日もスムーズでした。
管理薬剤師の鍵村和伸さん。
システムベンダーによる機器設定作業では、特にトラブルは生じませんでした。夜、閉店後にシステムベンダーに作業してもらい、2~3時間で終わりました。
今のところ、目立ったトラブルはありません。
顔認証付きカードリーダーと資格確認端末の設置スペースを、事前に確保しておく必要があります。薬局は受付周りが狭いことが多いので、特に資格確認端末の置き場所に困るのではないでしょうか。当薬局はかなり広いほうですが、それでも端末をどこに置くか悩みました。受付動線も含めて、資格確認端末(パソコン)1台分の設置場所をあらかじめ検討しておくとよいでしょう。
オンライン資格確認等システム導入後の変化について
現在は、主に新患の保険資格情報の照合に利用しています。処方箋に記載の記号番号と情報が一致しなかったりする場合は、患者さんに健康保険証をお借りして確認します。オンライン資格確認等システムのおかげで、医療機関が発行した処方箋に記載ミスが見つかったこともありました。その際は医療機関に電話して、情報の修正を依頼しました。
受付に置いてある顔認証付きカードリーダーを見て、「これ、何?」と興味を持つ方が最も多いです。カードリーダーをきっかけに会話が始まるので、患者さんとのコミュニケーションツールになっていますね。また、当薬局は医師やクリニックのスタッフさんなど、医療関係者も比較的多くいらっしゃいます。そういった方々から「導入してみてどうなの?」などと質問されることもあります。
薬剤情報は非常に助かります。患者さんが体調に不安を抱えていても、現状ではおくすり手帳を出していただかなければ何も情報が得られず、どうしようかと悩むことがあります。処方されている薬や過去に飲んでいた薬などの確かな情報が得られたら、患者さんの健康のためにアドバイスできることが増えます。
また、自治体ごとに形式が異なるため難しいかもしれませんが、将来的に自治体が発行している公費に係る証情報も連携されると、利便性が高まると思うので、期待しています。現状では、患者さんは医療機関にも薬局にも、紙の公費証を持参しなければなりませんが、どうしても用紙は忘れたりなくしたりしやすいものです。マイナンバーカードで公費の情報が得られるようになったら、さまざまなやり取りが省けて、医療機関も薬局も患者さんも、みんなが便利になるのではないでしょうか。

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今後のICT活用の進展を見据えて、早期にオンライン資格確認を導入ダイガク薬局 四条 京都市下京区
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