薬局

早期導入により、かかりつけ薬局として
患者さんのニーズへいち早く対応。
処方情報等の活用による安全な医療の提供が、
薬局の価値向上につながる

びーだま薬局 広島県広島市

びーだま薬局は、1998年の開局以来、「患者さんの健康のために、処方箋の調剤がなくても立ち寄ってもらえるかかりつけ薬局」を目標に、地域医療に貢献してきました。最近(2023年1月現在)では広島県オンライン診療センターや地域の医療機関の新型コロナウイルス感染症の診療に伴う薬の配達や無料抗原検査などにもかかわっており、幅広い活動で近隣住民を支えています。

電子処方箋を導入した理由

電子処方箋を導入しようと思った理由は?

広島市立北部医療センター安佐市民病院が先行導入するということで、電子処方箋は、地区内の医療機関や薬局間の連携をさらに深めていくためにも非常に意義があると感じたからです。

早期の導入を決意したのは、オンライン資格確認もそうですが、今後、デジタル化が進んでいくのは避けられず、どのみちそうなるのであれば、早めに準備するに越したことはないと思ったからです。
私は安佐薬剤師会の会長も務めており、当薬局のように小規模なところが率先して導入することで、大手の薬局でなくても導入できるのだ、ということを薬剤師会の会員に理解してほしいという気持ちもありました。

導入を検討する際に不安はありましたか?

システムをきちんと導入できるのか、導入したシステムをきちんと運用できるのか、という点で不安はありました。ただ、当薬局の場合は、モデル事業ですべてが初めてだったからこそ不安が大きかったという面があります。一度システムの形ができあがってしまえば、そこまで難しいことではないと思います。

びーだま薬局の代表取締役で、安佐薬剤師会会長でもある下田代幹太さん。

システム導入のプロセスについて

電子処方箋の導入のプロセスについて、感じたことをお聞かせください

オンライン資格確認の導入時はネットワーク設定などが必要でしたが、電子処方箋はオンライン資格確認の基盤を活用できるので、比較すると導入はかなり楽でした。電子処方箋は今後リモートでも導入できるそうですし、より時間も労力も少なくて済むはずです。

システム導入の際は、システム業者としっかり連携して、コンセプトを明確にしたうえで進めることが大切だと思います。私は安佐薬剤師会会長として、地域での導入を推進するにあたって各社の状況を把握すべく、さまざまなシステム業者や機器メーカーとお話しさせていただきました。業者ごとに導入作業範囲やカードリーダーの取り扱いの機種といったことが少しずつ異なるようですので、発注するシステム業者とよく話し合うことをおすすめします。

電子処方箋の操作は、マニュアルやシステム業者からの指導をしてもらいつつ、実際に使いながら理解を深めていきました。入力作業は必ずしも薬剤師だけが行うわけではないため、事務スタッフに協力してもらうことが不可欠ですし、当薬局のように規模が小さいと、スタッフ全員に理解してもらわなければ業務が回りません。そのため、スタッフ全員に操作方法のマニュアルや情報共有を行い、わからないことは業者にクイックに確認しながら慣れていきました。実際に使ってみてわかることもあったので、早く使って慣れるのが良いと思います。

電子処方箋導入後の変化について

電子処方箋を導入したことで、業務の内容や流れはどのように変わりましたか?

基本的には画面でいくつか操作をするだけで、負担になるような大きな変化はないと思います。ただ、現状ではまだ電子処方箋を使用する患者さんが少ないため、まだわからないところもありますが、将来的に電子処方箋が浸透してほぼ全員が使用するようになったときには、電子処方箋の運用だけに集中できますので、負担は大きくないでしょう。
早くから電子処方箋に慣れておけば、従来の紙の処方箋と電子処方箋が混在する過渡期に差し掛かっても対応できるはずです。電子処方箋の利用施設が増え、電子処方箋を希望する患者さんが増えてきてからでは、慣れるのも大変ですし、現場の混乱につながってしまうのではないでしょうか。早期に導入して、少しずつ対応していくつもりでいるほうが楽ではないかと思います。

電子処方箋について、患者さんにはどのように周知されていますか?

電子処方箋に対応していることを示すポスターを掲示しています。また、かかりつけの患者さんには薬局から周知を進める方法を取っています。電子処方箋を導入している医療機関を受診している患者さんには、電子処方箋が始まっていることを口頭でお伝えし、チラシ等をお渡しします。やはり、かかりつけ薬局としても患者さんへの周知は積極的にやっていかないといけないと感じており、「電子処方箋に対応していない」という理由だけで、患者さんが長年通ってきたかかりつけ薬局から別の薬局を検討するのは、患者さんにとっても薬局にとっても不幸なことで避けなければならない、と考えています。

また、「このシステムが全部の医療機関や薬局に入ったらとても便利になるね」と言ってくださる患者さんもいましたし、実際のところ、電子処方箋が普及すると患者さんの利便性も高まると思います。患者さんが電子処方箋について理解し、情報提供に同意してくださるかどうかも、電子処方箋の普及においてポイントになるでしょう。また、マイナンバーカードがなければ電子処方箋が使えないのではないか、と思っていらっしゃる患者さんも少なくないようですので、マイナンバーカードをお持ちでなくても電子処方箋は使えます、とその都度お伝えしています。

電子処方箋について、メリットを感じているのはどのようなことでしょうか?

処方情報を閲覧できると、医薬品の安全性を担保するための判断材料が増え、より良い服薬指導につながります。得られる情報をうまく活用して患者さんのお役に立てるようにすることで、薬局の価値も高まるはずです。システムを通して、医師と薬局との間でコメントなどのやり取りも増えていくでしょう。これも非常に良いことだと思います。

電子処方箋を導入したことで、オンライン資格確認で得られる服薬情報や診療情報も、今まで以上に意識して確認するようになりました。すると、当薬局に長く来てくださっていた患者さんで、お薬手帳に記載のない薬が数年にわたって院内処方されていることがわかったんです。情報が得られることの重要性を改めて感じた出来事でした。今後、電子処方箋の導入によってリアルタイムで情報が蓄積されていけば、さらに安心できる医療の提供につながるのではないでしょうか。

導入を検討している医療機関・薬局にメッセージはありますか?

患者さんの服薬状況を客観的なデータで見ることができるようになるというのは、本当に必要なことだと思いますし、実際に利用し始めて早期に導入して良かったと思っています。今後やってくる過渡期に向けても、今のうちに電子処方箋を導入して運用に慣れておくことで、薬局自身も慌てることなく安心・安全な対応が引き続きできると思いますし、患者さんも混乱せずに済むはずです。

特に薬局の場合は、近隣の医療機関が電子処方箋を導入したときに、薬局側の準備が整っていないと、電子処方箋ご希望の患者さんが困ってしまうことになります。いろいろなニーズを持った患者さんが薬局にいらっしゃることを見据えて、やはり早めに対応できるようにしておくのが良いではないでしょうか。

びーだま薬局

〒731-0125 広島県広島市安佐南区大町西1-1-11

TEL:082-870-6422

https://www.bi-dama.co.jp/

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