
病院の事例
受付での説明をテンプレート化し、
マイナンバーカード利用を効率的にすることで
マイナ保険証の利用者が200人/月から1000人/月と7倍に増加。
独自の取り組みでマイナ保険証の利用を促進
牧田総合病院 2024年3月掲載
牧田総合病院は、1942年の開業以来、地域に根ざした医療を提供してきました。現在は「すべての人に安心を」をビジョンに掲げ、290床を備える急性期病院として幅広い医療ニーズに対応しています。救急医療にも力を入れており、地域の安心に貢献するべく「断らない救急」を目指しています。
オンライン資格確認の活用の現状
2022年10月から運用しています。当院では、理事長を筆頭にICTを推進しており、業務効率化を図っています。2021年に現在の場所に新築移転したのですが、そのタイミングで院内のペーパーレス化・デジタル化が一段と進みました。このような流れの中でオンライン資格確認が始まることを知り、本格運用開始と同時に導入しました。

経営企画室医事管理部部長の垣野裕さん(左)、医事管理部診療情報管理課診療情報管理士課長の榎本貴規さん(右)。
当院には1日約700人の患者さんが来院されます。そのうち10%程度の患者さんがマイナ保険証を利用してくださっています。オンライン資格確認はすべての患者さんで実施しています。

初診の患者さんの場合、1階のフロントで受付を行います。その際、マイナンバーカードをお持ちかどうか、必ず全員に伺うようにしています。お声がけをすると、思った以上に多くの方がマイナンバーカードを持ち歩いていらっしゃるため、マイナンバーカードを出してくださる方が多いです。お声がけの際に、マイナンバーカードを持参していない患者さんには、次回お持ちいただくようご案内しています。そうすると多くの患者さんが次回受診時に持参してくださいます。
再診の患者さんは、まず1階の自動再来受付機で受付を行います。その後、2階の各科窓口で健康保険証の確認を行う流れになっています。マイナ保険証を利用される場合は、1階のフロントでカードリーダーを使用していただくよう案内をしております。

マイナ保険証の利用を促すための案内方法
当初は、マイナ保険証を使用する患者さんがほとんどいませんでした。そこで、初診の受付時にマイナンバーカードをお持ちかどうか確認し、マイナ保険証について案内することにしたのですが、患者さんへの説明に時間がかかってしまうことや、説明の内容がスタッフごとに若干異なってしまうことが課題でした。
そこで、マイナ保険証の利用に関する説明書をラミネート加工したパウチを独自に作成し、このパウチを患者さんに見せながら説明することにしました。パウチの記載内容を上から順に説明していけば、マイナ保険証の利用について必要な情報を誰でも簡単に伝えることができます。説明すべき内容がテンプレート化されたことで、説明に要する時間も短縮されました。また、文章として目に見える形になったことで、マイナ保険証に関するスタッフの理解も進みました。
また、患者さんも、口頭のみで説明を受けるよりも、文面を見ながら話を聞いたほうがわかりやすいというお声もいただいております。マイナ保険証を利用することで、患者さんの負担額が少なくなりますし、実際「負担額が減るのであれば使いたい」という患者さんもいらっしゃいますので、丁寧に説明することがとても重要であることが認識できました。


パウチのほかに、医師からマイナ保険証の利用に関する案内をしております。入院や手術が決まった外来患者さんに対しては、医師からマイナンバーカードの利用を促しています。マイナンバーカードがあれば、限度額適用認定証の発行手続きが不要になり手間が省けますので、必ずマイナンバーカードをご持参いただくよう医師からお願いしています。入院に際して金銭面を心配される患者さんは多く、費用に関して質問を受けることがよくあります。そこで、医師が入院費用の概算表を患者さんに見せながら、マイナンバーカードを利用すれば窓口での負担額が少なくて済むことを説明しています。
このほか、厚生労働省が作成したポスターに加えて、当院独自で作成したポスターも掲示しています。マイナ保険証の情報が少しでも多くの患者さんの目に留まるように努めています。


高齢の方や外国人の患者さんなど、顔認証付きカードリーダーの使い方がわからず、時間がかかってしまうことがありました。ご自身でスムーズに使っていただける患者さんのほうが多いのですが、お困りの場合は、受付のスタッフが顔認証付きカードリーダーの使い方を個別にご案内しています。一度ご案内すれば、次回以降はご自身でカードリーダーを使っていらっしゃいます。

オンライン資格確認の今後の活用について
2024年12月2日に紙の健康保険証が廃止となることを踏まえ、すべての患者さんがマイナ保険証をスムーズに利用できるように、受付の導線を検討しております。受付のどの段階で顔認証を行うのかがポイントになると思っています。今のところ、1階の自動再来受付機付近に顔認証付きカードリーダーを設置し、そこで資格確認を済ませてから2階の各科受付に進んでいただくパターンと、1階で受付を済ませた後、2階に顔認証付きカードリーダー専用のカウンターを設置して資格確認を行うパターンを考えています。
現状では、初診患者さんと再診患者さんの導線が完全に分かれているため、スムーズな受付ができています。今後、導線を変えても、行列ができてしまうなど患者さんにご不便をかけることがないよう、今から準備を進めておきたいと思っています。
また、マイナ保険証の利用率がさらに向上した際には、診療/薬剤情報や特定健診等情報も活用していきたいと考えています。現在も電子カルテからボタン1つで情報を閲覧できる状態になっているのですが、まだ実際に情報を活用できる事例が少ないのが現状です。こうした情報が閲覧できるのは非常に有用だと思いますので、今後、院内でメリット等を周知していく予定です。

オンライン資格確認で得られる情報がさらに拡大していくことを期待しています。医療扶助への対応が、2024年3月から始まっていますが、公費全般に関する情報なども確認できるとありがたいと思っています。
また、緊急入院される患者さんなど、顔認証付きカードリーダーの場所まで移動することが難しく、マイナ保険証を利用できない方もいらっしゃいます。モバイル端末など、どこでもマイナンバーカードを読み取り、認証ができる仕組みがあると理想的だと思います。

牧田総合病院
〒144-8501 東京都大田区西蒲田8-20-1
TEL:03-6428-7500
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