
医科診療所の事例
マイナンバーカード利用を積極的に啓発し、多くのメリットを享受。
マイナンバーカードを診察券として活用するなど、
事務作業の手間もコストも削減
大塚眼科クリニック 2022年3月掲載
大塚眼科クリニックは、JR川崎駅直結で利便性の高いビル内に位置し、年齢を問わずさまざまな患者さんが来院します。オンライン事前予約やWeb問診の導入など、患者さん向けに積極的なデジタル化を推進しています。
オンライン資格確認を導入した理由
マイナンバーカードをお持ちいただければ、顔認証付きカードリーダーですぐに本人確認ができる、というのが一番の理由です。当院は、一般的な眼科診療やコンタクトレンズ処方に加えて、レーシック、眼内コンタクトレンズ、白内障の多焦点眼内レンズといった治療も積極的に実施しており、子どもから高齢者まで多様な患者さんが来院されます。様々な患者さんが来院されるので、診療や治療において本人であることを正しく特定することが大切ですが、健康保険証だけでは本当にご本人か確認しきれませんので、確実な本人確認システムが必要だと感じていました。
また、資格情報もその場で確認できるので、数ヶ月も経った後、レセプト返戻による患者さんとのやりとりや事務手続きをなくせると思いました。医療機関にとっても患者さんにとっても、忘れた頃に問い合わせが生じるのは大変な手間ですから。
導入作業は、システム業者にお願いせず自分で行いました。導入したのが2021年2月頃で先行導入の時期でしたので、情報もまだまだ少なく試行錯誤でセットアップを行いました。ただ、ITは元々嫌いではなかったですし、一部難しい部分もありましたが周囲の先生方に教えて頂き、自分でなんとか設定できました。現在はマニュアル等も整備されていますし、システム業者も経験をたくさん積んでいるので、ITが苦手な方はとにかくシステム業者に相談してお願いすればスムーズに導入できるのではないでしょうか。

川崎市医師会理事も務める大塚宏之さん。


オンライン資格確認導入後の日常
患者さんに積極的にマイナンバーカードを利用していただくよう案内しているため、主にマイナンバーカードによる資格確認を行っています。マイナンバーカードをお持ちでない患者さんには健康保険証情報による資格確認を行っています(現在、大塚眼科クリニックに来院される患者さんの約半数はマイナンバーカードを利用されています)。
具体的な資格確認の流れとして、当院ではオンライン事前予約制を取っており、Webサイトから予約と問診票の記入を行う際に、受診時にはマイナンバーカードを持参するよう予約ページにご案内を記載しています。
受付のわかりやすいところに顔認証付きカードリーダーを設置し、手作りのPOPでマイナンバーカードを置いていただくよう案内もしており、来院されたらマイナンバーカードを顔認証付きカードリーダーに置いていただければ受付は完了です。マイナンバーカードを置く場所を案内したり、ケースから出すようにお伝えしたりすることはありますが、一度お使いいただければ、迷うことはほとんどないようです。マイナンバーカードをお持ちではなく、健康保険証をお使いの場合は、受付でお預かりして資格確認を行います。
また、受付時に薬剤情報等の提供に同意をいただけた場合は、診察前のカルテを確認する際、特定健診等情報や薬剤情報の確認も行います。薬剤情報に関しては、眼科の場合は内科等と異なり、重複投薬が生じていることは少ないのですが、他院で処方されている薬を念のため確認しています。
オンライン資格確認の本格導入が開始されるタイミングで、2021年9月下旬ごろから1~2ヶ月の間、患者さんに「マイナンバーカードはお持ちですか? お持ちでしたら次回から持参してくださいね。お持ちでなければすぐに申請してください」と直接お声がけやオンラインでの周知を積極的に行いました。継続して案内したことで、今では多くの方がマイナンバーカードをお持ちになり、システムがうまく回り始めたと思います。
またWebサイトからご予約いただく際、マイナンバーカードで受診される方は、マイナンバーカードを持っているかのチェック項目だけで簡単に予約できるようにしています。一方で、マイナンバーカードをお持ちでない患者さんには、毎回、健康保険証の画像を送信いただくようひと手間を加えることで、マイナンバーカードを利用した方が楽に感じてもらえるようにして、マイナンバーカード利用の促進を行っています。
さらに、院内には啓発用のポスターやステッカーなども貼っています。医療機関からも患者さんに色々な方法で周知することで、現在は、患者さんの半数以上がマイナンバーカードを使って受診されています。高齢の患者さんは、当初からマイナンバーカードをお持ちの方が意外と多かったですね。



オンライン資格確認導入後の変化
患者さんに対して積極的にマイナンバーカードを利用してもらっているため、受付の業務量が大幅に減りました。以前はスタッフ3名で行っていた受付業務を、今では1名で回せるほどです。資格確認以外には、カルテを作成する作業が大幅に削減できたことですね。資格確認を行うと、住所や氏名、保険者番号などの情報が自動的に電子カルテに連携されるので、入力する手間もなくなりますし、当然ながら入力ミスも皆無です。今までいかに大変な手間をかけていたかに気づかされました。
診察券の発行を廃止しました。オンライン資格確認の仕組み(照会番号登録機能)を活用すれば、マイナンバーカードを診察券の代用として使えるため、マイナンバーカード1枚で済ませる形に変更したのです。診察券を発行する手間がなくなりましたし、診察券の発行や電子カルテとの連携などに必要だったコストが浮いたことも非常に大きいですね。
※マイナンバーカードを診察券として活用する場合のシステム実装についてはこちらをご参照ください。

オンライン資格確認による効果
やはり本人確認がすぐに、また確実にできる点が最も大きいと思います。顔認証システムまで付いていますので安心です。システムの力を使えば間違いようがありませんので、すり抜けることも考えられませんし、患者さんとトラブルになるようなこともないでしょう。さらに、受付待ち案内のシステムともひもづけて運用することで、受付から診察まで確実な本人確認につながっていると思います。
そもそも受付待ち案内システムを導入したのは、特にご高齢の方などがお名前を聞き間違えて、別の患者さんが診察室に入ってきてしまうことがあったからです。診察室にいると名前がわからないため、判別もつけられませんでしたが、システム的にひもづけて受付番号にて案内することでより確実な本人確認につながっています。
はい、結果的に手間やコストの削減につながっていますので、入れて良かったと思っています。
さらなる機能の拡大に期待していますし、だからこそ早期に導入して積極的に活用することで、早く仕組みに慣れたいと考えています。今後、公費の情報が連携されたり、電子処方箋が使えるようになるともっといいですね。特に電子処方箋については、当院の患者さんはマイナンバーカードの利用者が多いので、自分の薬歴情報をリアルタイムでチェックできるようになると、メリットも大きいと思います。
もっと多くの医療機関で使えるようになることが大切だと思いますので、当院の近隣の薬局にもオンライン資格確認を導入してもらうようお願いしました。電子処方箋が導入されたら、患者さんは電子処方箋が使える薬局にしか行かなくなると思いますし、そもそも当院はマイナンバーカードで受付できるのに、薬局で健康保険証が必要になると、患者さんは結局両方持参しなければなりません。本人確認や事務作業の削減という点でもメリットが大きいので、ぜひ早めに導入してほしいと伝えたところ、2022年1月から導入したそうです。
将来的にはデジタル化がさらに進み、オンライン資格確認も100%導入されるシステムでしょうから、早いうちから導入しておいたほうが、クリニック側にも患者さん側にもメリットが大きいと思います。ただ、オンライン資格確認のメリットの一つは、情報がレセプトコンピューターや電子カルテに瞬時に連携されるという点ですので、まだデジタル化を進めていない医療機関だとメリットを感じにくいもしれません。デジタル化を進めるチャンスと捉え、施設内のシステムもこの機会にあわせて見直してはいかがでしょうか。

大塚眼科クリニック
〒210-0007 川崎市川崎区駅前本町12-1
川崎駅前タワーリバーク7F
TEL:044-200-7773
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